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株式会社スリー・ディー・マトリックスとの共同研究契約を更新しました

株式会社スリー・ディー・マトリックスとの「BNCT用ホウ素注射剤OKD-001の研究・開発」に係る共同研究契約書(令和2年7月6日締結)について、研究期間の更新(1年間の延長)に双方合意し、令和3年6月30日に契約書を取り交わしました。

 

NTRCは、同社の提供する自己組織化ペプチドと第1世代と呼ばれているBNCTホウ素薬剤BSH(ボロカプテイト:https://www.weblio.jp/content/BSH)と混合するだけで、BSHの永年の課題(がん細胞選択性ならびに細胞膜透過性の欠如)が大幅に改善された、新規BNCT用ホウ素薬剤(開発コード:OKD-001)として生まれ変わることを発見し、特許を取得しました(特許第6548060号、平成29年11月24日)。この特許出願は、JSTの支援を受けて、国際出願(PCT出願)され、米国、欧州そして中国に移行しています。米国では日本と同様に権利化されています。新規ホウ素薬剤OKD-001は、昨年承認されたステボロニン(ボロファラン BPAのソルビトールとの混合製剤)とは、異なる細胞内取り込み機序でがん細胞のみ選択的に取り込まれることが示唆されているため、ステボロニンが不適用のがんで苦しんでいる患者さんへの適用および併用などによる効果増強が期待されます。NTRCでは、本共同研究をはじめとしてOKD-001の開発を進め、協力して1日も早く、臨床で多くの患者さんに使って頂けるように努力していきます。

 

注)

株式会社スリー・ディー・マトリックス http://www.3d-matrix.co.jp

同社は、1992年に米国マサチューセッツ工科大学(MIT)のShuguang Zhang博士によって発見された自己組織化ペプチドを基盤技術とし、MITからのライセンスをもとに、グローバルな事業を展開しています。自己組織化ペプチドを患者さん体内での薬物送達(DDS)に応用し、核酸医薬品(siRNA)と自己組織化ペプチドの混合製剤でのがん治療試験(難治性乳がんに対する治験薬TDM-812のファースト・イン・ヒューマン医師主導治験第一相)を終了し、Proof of Concept(概念実証)が得られています。

 

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