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新規ホウ素薬剤OKD-001を含む関連の特許が登録されました

新規ホウ素薬剤OKD-001を含む特許出願が日本国特許として登録されました。
本特許は国立大学法人岡山大学の基本特許であり、自己組織化ペプチド技術をドラッグ・デリバリー・システム*1として活用した、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に関する特許です。
主薬であるホウ素薬剤BSHは過去に臨床研究で使われたことがあるものの、当時は薬剤を標的のがん細胞内に効果的に取り込ませることができず、十分な治療効果を得ることができませんでした。OKD-001は、自己組織化ペプチド技術をドラッグ・デリバリー・システムとして用いることで、臨床使用実績のあるBSHをがん細胞中に効果的に送り届けるという特長を持っています。薬剤は一定期間そのままがん細胞内に留まることから、取り込ませた後に中性子線を照射することで起きる、がん細胞内の薬剤の反応を使ってその細胞のみを集中的に攻撃できる、革新的なものとなることが期待されます。
現在までに開発された他のホウ素薬剤は、治療の決め手となる1分子あたりに含まれるホウ素の数が少なく、十分な効果を得るためには中性子線照射中も大量の薬剤を投与し続ける必要があります。これに対してOKD-001はがん細胞への集積性が高いと思われ、1分子あたりに含まれるホウ素の数も多いことから、少ない薬剤の投与で高い効果をあげることができると期待されています。

*1:ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)
薬剤の効果を発揮させたい臓器・組織のみにそれを効果的に送り届け、細胞内への取り込みを促進するシステムのことで、薬剤の持つ効果を最大限に発揮させる仕組みです。今回は自己組織化ペプチドの持つ特性をDDSとして応用し利用しています。

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